無能すぎて生きるのが辛い

自分の生きた痕跡を残したくて始めました。

警備員だった頃の話

こんにちは、たけおです。

今から4年前の2018年の話なんですけど、

その頃僕は施設警備員の仕事をしてました。

まずなんで施設警備員になろうと思ったかというと、自分は人とコミュニケーションを取るのがかなり苦手で・・・

それもコミュ障とかそういうレベルじゃなくて意志の疎通がうまくとれないんですね。

人に何かを伝えるっていうのが絶望的なまでに苦手で、
なんというか常に頭の中がごちゃごちゃしてて物事を順序だてて説明するのがうまく出来なくて・・・

まあ要するに馬鹿なんです。

それに付け加えて僕には吃音症という言語障害のようなものが生まれつきありまして。

話す際にうまく言葉が出てこなかったり、同じ音を繰り返したり・・・とにかく円滑に言葉を話せなくて。

具体的には、「おはようございます」と言いたくても言葉が喉の奥に引っ掛かってるような感覚でうまく出てこなくて、
「おっおっおっおっおっおはようございます」
みたいな感じになってしまうんですね。

俗にいう″ どもり ″というやつです。

そんなんだから人と話してても自分の伝えたいことがうまく相手に伝わらなかったり、

相手から「なに言ってんだコイツ・・・」みたいな目で見られたりするなんてことがよくありまして。

そういう対人能力の低さが原因で今までどんな会社に入っても人間関係がうまくいかなかったので、その頃の自分はとにかく人との関わりが少ない仕事がしたいと思ってました。

そんな時に見つけたのが施設警備員の求人だったのですけど、

僕は施設警備員の仕事に対して

「勤務時間の大半は守衛室に籠って、たまに施設内を巡回するだけの楽な仕事」

みたいなイメージを持ってて、
それで「この仕事なら自分にも出来るだろ」と思ってその求人に応募したんです。

今思うと浅はかな考えだったと思います。

で、面接とかあって採用して貰えたんですが、入社して最初の1週間は会社で施設警備員の業務内容に関するビデオを見させられたり、

警備業務の教科書を見ながら勉強したり、

あと徒手護身術の練習なんかもやったりいろいろやらされました。

なんでも警備員は現場に出る前に30時間くらいの研修を受けなきゃいけないって法律で決まってるみたいです。

あと先輩社員とは2人で社有車に乗って見学みたいな感じで仕事現場を回ったりしてたんですが、その際に車内で先輩と2人きりになるのが辛かったんですよね。

先にも書きましたが、自分はコミュニケーション能力が絶望的なまでに低いので、上手く世間話とか出来なくて車内が気不味い雰囲気になったのを覚えてます。

柴さんっていう50代くらいの先輩社員と同乗した時があったんですけど、その際僕の口数があまりにも少ないもんだから

「こんなおっさんと話してても楽しくないか?」

みたいなことを柴さんがちょっと冗談めかして言ったんですね、

それに対して僕がうまく返答出来なくて変な空気になったのを覚えてます。

まあそんな感じで無事研修が終わりまして、施設警備員として現場に入る事になりました。

僕が配属されたのはイオンっていうショッピングモールなんですけど1日の大まかな流れとしては朝6時くらいに現場に入りして、

制服に着替えたら守衛室で出社してくる社員さん達を出迎えて、

そこから当直勤務の人と2人で、1人が施設の巡回に行ってる間はもう1人が守衛室で出入り業者なんかの受付を担当して・・・といった具合で巡回と受付を交代しながらやっていく感じで、

閉店した後は店内を施錠確認しながら巡回して回って、

それが終わったら1日の業務終了って流れでした。

その他にも店内のレジ打ち担当の人が釣り銭補充をする際の立ち会いなんかもしました。

あと家を出る前に

「○ ○(自分の名前)です。○月○日○時○分、これから勤務先に向かいます。」

現場に到着してからは、

「○○(自分の名前)です。これから勤務を開始します」

って感じで本社のほうに連絡を入れる決まりがあったんですけど、自分は吃音症で喋るのがめちゃくちゃ苦手だったんで連絡の度にどもらずうまく話せるかでかなり緊張してました。

仕事自体は慣れればそんなに難しくないかなって感じだったんですど、
ショッピングモールみたいに不特定多数の人が沢山集まる場所を警備するとなるとイレギュラーな出来事に遭遇することが結構あって・・・

ショッピングモールだとよくイベント事があるんですけど、その準備を手伝わされたりとかして。

僕が入社したのが1月だったんですけど、その年は雪が凄くてショッピングモール入口の雪かきもやらされたり

「店の前の通りを除雪して欲しい」みたいな電話が守衛室にかかって来たりもして、

でもそこ店の敷地内じゃないから本来は市役所に言ってもらわないと困るんですけど、

でもまぁそこは客商売なんで代わりに僕達が市役所に除雪の要請したりする訳です。

店内で万引きした子供(高校生くらい)なんかも居たんですけど、現場検証をするためとかでその子が警察同伴でやって来て、その際の立ち会いなんかもやらされたりしました。

この他にもルーティンワーク以外のところでいろんな雑用やらなんやらが舞い込んで来るんでその都度対応しなきゃいけないんですけど、

あと警備員が待機する守衛室なんですけど事務所と併用になってて、常にそのショッピングモールに勤務してる社員さん達が居るんですよね。

そんな訳で待機中はずっと社員の人達と同じ部屋で過ごさなきゃいけないんですけど、業務上の事とか世間話とかでいろいろ話しかけられるんですけどそれが凄い嫌でした。

最初に書きましたけど自分は対人能力が絶望的なまでに低いから話しかけられても上手く返答出来なくて・・・

僕は新人だったんで先輩警備員の村岡さんって人について回ってたんですけど、その人がショッピングモール勤務の社員さん達と仲良さそうに喋ってるのを見て

「僕は村岡さんみたいに上手くやっていけるだろうか・・・」

って不安になったのを覚えてます。

そんな感じで施設警備員としての初日の勤務が終わったんですが、正直その時点でもうこれから先やっていける気がしなくて・・・

僕は施設警備員の仕事を人との関わりが少なくて、ルーティンワークの繰り返しみたいなものだと思ってたからなんかいろいろと予想外だったんです。

それでショッピングモールの警備員として初日の勤務が終わった次の日に、仕事を辞めたいって連絡を課長に入れました。

そしたら課長から

「2、3ヵ月勤めて仕事が合わないから辞めると言うんならまだ分かる。でもこんな早くに辞めたいなんて言われても困る」

って言われて・・・まぁ正論ですよね。

その時の僕は
「この仕事を続けていったら確実に無能なのがバレる!」
っていう不安があったから、無能なのが完全にバレる前一刻も早く辞めたくて・・・

それでなんとか粘ってしぶしぶ了承してもらいました。課長は心なしか呆れてました。

ショッピングモールでの警備は既にシフトが組まれてたから退職を申し出てからも2日間出勤する事になったんですけど、

なんか僕が会社を辞めるって話が既に広まってて、かなり気不味かったです。

僕が守衛室の受付に立ってる時、大場さんっていう先輩警備員の人がショッピングモールの社員さんと僕の事を話してて

「あんな調子じゃどの会社いっても通用しないでしょ」

みたいなことを明らかに僕に向けて言ってるのが聞こえてきて、僕は聞こえない振りをするのに必死でした。

ショッピングモールでの勤務を終えてそれで退職できると僕は思ってたんですけど、そこから1ヶ月、本社のほうで働くことになったんですよね。

僕は直ぐにでも辞めれるものと思っていたのでガッカリしたのを覚えています。

本社では機械警備っていうのをやっていて、

これは契約先の施設から発報があったら現場に駆けつけて異常がないか確認するっていう仕事(ALSOKとかSECOMを想像してもらうと分かりやすいと思います)で、自分はその業務に1ヶ月間従事することになったんです。

本社では午後4時頃に出社して、

点呼を行ってから会社が管理している図書館とか文化センターの巡回警備にいって、

それが終わったら基本的に契約先から発報があるまで待機してました。

後は午後10時くらいに契約先の工場に巡回しに行くくらいでした。

僕はあくまで助手という立ち位置だったので、基本的には先輩警備員について回るだけで、発報があって契約先施設に駆けつける際も助手席に座ってるだけでした。

施設の巡回も毎日決められたルートを歩くだけだったのでかなり楽な仕事でした。

ただ、施設を巡回する際その施設の社員さんに「新人さんですか?」みたいな感じで話しかけられる時があって、自分は退職することが決まってたから凄く気不味かったです。

会社の休憩室で発報があるまで先輩達と待機する際なんかも

「入社してすぐに退職する自分のことをみんなどう思ってるだろうか」

とか思ってしまって凄い居心地が悪かったです。

あとその会社には警備課の他に設備課、業務課といった課があってそれぞれ部屋が別れてて、

僕は警備課に所属していたので出社して制服に着替えたら警備課の部屋に行くんですけど、

その前に他の課がある部屋にも顔を出して挨拶しなきゃいけないってルールがあって・・・それが凄い嫌だったんです。

「ただ挨拶するだけだろ」って言われたらそれまでなんですが、僕はなんというか既に空気が出来上っている場に飛び込むのが苦手で、

それにその時は入社早々会社を辞めるってことで負い目があったから尚の事辛かったです。

一度挨拶しに行った時返事が無かった時があって・・・

「俺の声が小さかったから聞こえなかったんだな」

って自分に言い聞かせてその場を後にしましたけど内心穏やかでなかったです。

それと警備課は業務に使う車両を点検する作業があって、これは二人一組になって1人が車両に乗り込んで

エンジンをかける→ライトを点ける→ウインカーを点ける→ブレーキを踏む・・・

と順番に行い、もう1人がそれらを指さしながら

「エンジンよし!ライトよし!右ウインカーよし!左ウインカーよし!ブレーキランプよし!」

と声を出しながら確認していく作業なんですが、僕はこの際に吃音症のせいで

「らっらっらっらっらっライトよし!」

といった感じで盛大にどもってしまって・・・みんなに笑われました。

僕がどもった時近くに居た先輩社員達が、互いに目配せしあって「何あれ?(笑)」って顔で笑い合ってて・・・それが凄い恥ずかしかったです。

結局その警備会社は2ヶ月ちょいで辞めてしまいました。